組織情報
羅針盤なき時代。本当の豊かさとは何か。豊かに生きる、豊かに暮らすとはどういうことか、そのことを誰も知りません。
私たちは、これまで、ひとつひとつの現場に立って、先人の知恵に学びながら、「日本の暮らし」の豊かさについて考えてきました。そして、仕事や経済の概念を、文化や観光の概念を、まちづくりや開発の概念を、これからの時代の「日本の暮らし」を描きながら、再定義してきました。
このような想いの輪が広がることが、未来に向けての「豊かな国土づくり」に繋がると信じています。
たたみ、土間、縁側、客間、いろり、おくど、井戸、薪炭、里山、在来作物、伝統食、陶磁器、漆器、和紙、布、木工、家具、虫の音、鳥の声、闇、畏敬の念、五感、祈り、土地の神様、集落、商店街、まつり、子ども、家族、コミュニティ……日本社会が捨て去ろうとしているものに、もう一度、光を当てること。
そのことを、空き家となった古民家や文化財の活用から始めること。時間を湛えた空間をつくること。その職人がいること。そのこと自体を地域の産業とすること。
消滅に向かう歴史的な集落や町を地域のクリエイティブなコアに反転させること。私たちの国土を見捨てないこと。
農地と集落と里山と。お城と城下町と田園と。私たちは、緑の山々に囲まれたこの土地、悠久の歴史と文化が漂うこの町と巡り会って、いま、ここで暮らしています。先人たちは、この土地を住み処とし、ともに生きることを「定め」のように考えて暮らしたのではないかと思います。現代の私たちはもっと自由で、私たちに先人のような覚悟がある訳ではありません。
けれども、私たちはこの土地にあって、人々の日々の暮らしを書き留めることで、この土地の歴史と文化を受け取り、未来に継承していくことにしました。夕餉の煙や秋祭の幟、山の端にかかる月や稲田を吹きわたる風、そのような風景に棲む何ものかの気配……都市化のなかで日本人が忘れ、失おうとしているものをこの土地で見つけたからです。
私たちは、「郷にいること」で、ともに生きること、自然とともにあることの意味を見つめ直していきます。そして私たちは、同じような気持ちを抱いている人たちが、互いにつながっていくことを願っています。この国が誇りと寛容を取り戻し、再び、豊穣の歴史を紡いでいくことを願っています。
NIPPONIAの価値は「郷にいること」。その現場に居て現実を受け止め、その現場で思考し、その現場で活動することが価値であると考えています。そのとき、次の5つの約束を活動の指針(判断基準)としています。
原風景の現状を把握し、地域を耕し、未来の原風景(人、自然、景観、行事、暮らし)を再創造していきます。
移住者を含む地域住民を主役にして、そこに滞在者、関係事業者が加わって、ひとつのコミュニティを形成していきます。
古民家などの未指定文化財も含めた「文化財」を面的に保存・活用し、継承していきます。その技術と職人を養成していきます。
地域で育まれてきた食文化と生活文化の価値を掘り起こし、表現し、提供していきます。その技術と職人を養成していきます。
原風景を、コミュニティを、文化財群を、食と生活文化を経済的な価値に転換して、持続可能で内発的な産業にしていきます。
「なつかしくて、あたらしい、日本の暮らしをつくる」という理念を共有する仲間が全国にいます。その仲間たちとNIPPONIAの活動を広げていくため、次の2つのブランドを展開しています。
オーセンティックな日本の暮らしが営まれている場所。宿泊施設では集落などの住民がおもてなしします。
その土地の歴史や文化を体感できるホテル。プロのホテルパーソンがサービスを提供します。
篠山城下町ホテルNIPPONIA
NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち
NIPPONIA HOTEL 大洲城下町
NIPPONIAは、多様なバックグラウンドを持つ専門家や組織の連携を通じて、調査から計画、開発、運営まで、トータルなエリアマネジメントを実現しています。エンドユーザーが宿泊・田舎体験・短期滞在・長期滞在するところまで、その活動を広げています。
具体的なエリア開発事業の実施に向け、地域資源調査、開発コンセプトの設定、空き家調査、改修プランの作成、資金計画・収支計画の作成等を行います。自治体等からの委託事業も受けています。
具体的なエリア開発事業の実施に向け、エリア開発を担う事業体(ビークル)を組成します。ビークルは、一般に、地域の有志と外部人材で組織します。必要に応じて株式会社NOTEも参画しています。
事業計画に沿って資金調達を行います。資金調達は、観光系ファンドと銀行融資、その組合せが基本となりますが、地元企業などのスポンサードも期待できます。事業の初動期には補助金導入も有効です。
事業計画に沿って事業者を誘致します。改修した古民家等に入居して、ホテル、レストラン、カフェ、工房、デザインオフィス等を営業するクリエイティブな企業、個人をマッチングします。
古民家等の活用による地方創生事業は、日本社会における新しい事業分野です。その土地の歴史文化に根ざして地域の未来を拓く。その事業の理念、理論、手法について調査・研究を行います。
古民家等を活用した分散型エリア開発事業について制度設計に取り組み、政府や自治体に対して政策提言を行います。これまで、建築基準法、旅館業法、文化財保護法等の改正を実現してきました。
一般社団法人ノオト 設立
NIPPONIA事業の原点、「集落丸山」(兵庫県丹波篠山市) オープン
NIPPONIA事業のフラッグシップモデル「篠山城下町ホテル NIPPONIA」(兵庫県丹波篠山市) オープン
株式会社NOTE 設立
JR西日本グループと資本提携開始
NIPPONIA事業が全国10地域に拡大
NIPPONIA事業が全国30地域に拡大
(株)MBSメディアホールディングス、シナジーマーケティング(株)と資本提携開始
NIPPONIA NEXT事業始動