城下町として形成され、宿場町として繁栄したという少し変わった歴史を持つ平福は、兵庫県の西側、岡山県との県境にあたる佐用町にあります。
元々は利神城(りかんじょう)の城下町として整備された平福ですが、城自体はその後20年程で廃城となってしまいます。しかし、東西に出雲と大和を結ぶ出雲街道、南北に吉備と因幡・但馬を結ぶ因幡街道が交差する地点に位置した平福はその後も廃れることなく宿場町として発展し、因幡街道随一の宿場町と言われるほど栄えました。
城下町でもあり宿場町でもある町・平福は、現在でも通り沿いに播州、作州の特徴が混在する往時の町家が建ち並んでいます。そんな町屋のうち、酒造を営んでいた家の邸宅と、その酒蔵として使われていた2軒の建物を改修し、一棟貸しの宿とレストラン・和菓子カフェとして再生しました。
平福での事業は、地元有志により設立された町づくり会社「合同会社 佐用鹿青年部」と協業し「株式会社かのね」を立ち上げて取り組んでいます。社名である「かのね」は「鹿の音」を意味し、山に囲まれた平福で昔から生活の音の一部である鹿の鳴き声や足音にちなんでいます。
平福には城下町として形成された頃の町並みが現在でもエリアとして残っており、その町並みを保存・継承するために地域と行政が協力してまちづくりに取り組んでいます。
今回行った改修も「かのね」と佐用町がそれぞれ分担して取組み、一つの事業として形にしました。
NIPPONIA 平福 宿場町
施設の詳細は上記webサイトよりご覧いただけます。
宿の支配人兼和菓子店オーナーとレストランのシェフはお2人とも佐用町出身。地域をよく知り、それぞれ地元食材にこだわりを持つお2人がお迎えします。
NIPPONIA宿泊時の夕朝食はレストラン「KUMOTSUKI」でご提供します。
ご予約はこちらからも可能です。
酒造を営んでいた木村家の邸宅を改修した一棟貸しの宿泊施設です。建物の2階部分に張り出した袖うだつは、わざわざ大原(因幡街道沿いの岡山の宿場町)から左官屋を呼んで造らせたものだそう。
施設内の家具は、酒蔵から出てきた酒樽の木材を再利用したものもあります。是非探してみてください。
酒蔵として使われていた当時の造りを残しながらレストランと和菓子カフェとして蘇らせました。宿と同じく、レストラン内の家具にも酒蔵時代に使われていた木材や道具を再利用しています。
レストランの名前「KUMOTSUKI」は利神城の別名「雲付城」から名付けました。
こちらの施設はご宿泊以外の方でも自由にご利用いただけます。