三重県の北西部に位置する伊賀市は滋賀、京都、奈良の中心部に近く、またそうした地域と伊勢湾沿いの町を結ぶ中間に位置したことから、複数の街道が交わる交通の要所として人々が行き来し賑わった地域です。安土桃山時代に築かれた伊賀上野城の城下として町が形成され、現在でもその当時の町割りのまま、碁盤目状の町並みが残されています。
忍びの里として有名な伊賀ですが、実は能楽やお茶に欠かせない伊賀組紐や伊賀焼など日本の文化を支える伝統工芸が生まれた地域でもあり、他にもユネスコ無形文化遺産にも登録されている「上野天神祭」という特徴的な祭りが地域の人々によって維持されているなど、深い歴史と豊かな文化を持つ地域でもあります。
新しくオープンした「NIPPONIA HOTEL 伊賀上野 城下町」は、あまり知られていないこうした伊賀の文化や歴史を伝えていく場所を目指します。
本事業は2019年3月に伊賀上野城下町の活性化を目指すために伊賀市、西日本旅客鉄道株式会社と締結した連携協定の元実現した事業です(連携協定についてはこちら)。
市の所有する登録有形文化財「栄楽館」を始め、計2棟の歴史的建築物の活用を軸に、今後も継続して伊賀上野の文化、歴史を広く伝えるためのまちづくり事業を進めていきます。
NIPPONIA HOTEL 伊賀上野 城下町
伊賀上野城下町に点在する古民家2棟を分散型宿泊施設としました。宿泊の他に伊賀牛や伊賀米など地元産の食材を使ったお食事だけのご利用も可能です。ご予約は上記webサイトから行っていただけます。
城下町のほぼ中心部に位置するこの建物は江戸時代に生薬問屋の建物として建てられ、明治に入ってからは料理旅館「栄楽亭」として昭和58年まで運営された後、市に寄贈されました。料理旅館だった頃を思わせる大座敷、趣向を凝らした数寄屋風の客室など、見どころの多い建物です。3室の客室の他、レストラン、フロント機能が併設されています。
KANMURI棟から徒歩7分ほどのこちらの客室棟は前部分が組紐店になっており、店の隣の暖簾を潜り抜けた先に客室があります。通路を進むと奥に空間が広がっており、隠し扉を抜けて秘密の空間に入ったような気持ちを味わえます。蔵を改修した客室は最大6名まで泊まれるお部屋もあるため、ご家族、お友達同士でものびのび楽しめます。