愛媛県の山中に突如現れる大洲の城下町。山の中にも関わらず、街道の結節点であり肱川の水運にも恵まれたことで、鎌倉時代に初めて城が築かれてから以後、絶えることなく町は発展し江戸時代には豊かな町人文化を育みました。
「伊予の小京都」とも呼ばれるほどに風靡な町並みが残るここ大洲は、肱川と共に歴史を積み上げてきた地域です。
2018年そんな大洲の地で、株式会社NOTE・一般社団法人ノオトは、大洲市、伊予銀行、バリューマネジメント株式会社と連携協定を締結しました。2020年の「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」を出発点に今後もこの土地で継続的なまちづくり事業に取り組んでいきます。
大洲市では、2018年7月に大洲市、㈱伊予銀行などが参画する県内初の地域DMO*「一般社団法人キタ・マネジメント」を発足し、地域の町づくり基盤構築の体制を整えています。株式会社NOTEは、「キタ・マネジメント」が歴史的建造物のアセット管理を目的として設立した㈱KITAと連携しながら、大洲城下町の空き家活用を進めていきます。
*観光地域づくり法人( Destination Management/Marketing Organization)
2020年2月、㈶民間都市開発機構(MINTO機構)と㈱伊予銀行の共同出資により、まちづくりファンド「大洲まちづくりファンド有限責任事業組合」が設立されました。同ファンドは、大洲市内の指定された地区内で町家・古民家等を宿泊施設や飲食施設、物販施設等として整備・運営する事業に対して投資を行うことを特徴としており、㈱KITAは同ファンドからの第1号投資案件として事業に取り組みました。
大洲城の真下に並ぶ旧浦岡邸群は、3棟横並びの建物をフロント棟併設の3室の客室に、その隣の1棟をレストランに改修しました。どのお部屋の窓からも大洲城を楽しむことができる贅沢な立地です。
棟の名前「SADA」棟は、大洲藩初代藩主・加藤貞泰(さだやす)を由来としています。
木蝋(もくろう)で財を成した大洲の豪商・村上氏の立派な邸宅を改修した6室の客室棟です。主屋は明治期以前の建物だと言われており、次に紹介する「TUNE」棟のすぐ近くに位置します。
棟名である「OKI」棟は大洲藩の体制確立に多く寄与した二代目藩主・加藤泰興(やすおき)の名前から名付けました。
元禄元年創業、大洲の老舗割烹店「いづみや」の旧館を改修し、2室の客室と宴会や少人数のウェディングも行える会場として再生しました。大洲神社の足元に位置し、緑落ち着くお庭も楽しめます。
棟の名前である「TUNE」は大洲三代目藩主・加藤泰恒(やすつね)からいただきました。