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源内邸 - 山形県白鷹町

上杉鷹山ゆかりの邸宅で着物文化に親しむ 白鷹

山形県南部地方を占める置賜(おきたま)地域は、明治時代に英国の女性旅行家イザベラ・バードがこの地を訪れたとき、その実り豊かな大地と人情の温かさから「東洋のアルカディア(理想郷)」と称した地域です。
そんな置賜地域の中でも北端に位置する白鷹町(しらたかまち)は、江戸時代、米沢藩主の9代目当主である上杉鷹山が進めた「漆・桑・楮百万本植立計画」を背景に養蚕業が栄え、以降、絹織物が地域の産業として根付き、現代でも着物や口紅の染料である紅花の生産量が国内最大を誇ります。

白鷹町に居を構える奥山家は、二百余年にわたり代々町の経済や文化の発展に貢献してきた地域の名家で、特に奥山家初代の高橋源内は町の産業振興や貧民救済にも尽力し、村人によって功績碑が建立されるほど地域の発展に尽力した人物だったそうです。

山形県初となるNIPPONIA事業として2021年4月にオープンした「NIPPONIA 白鷹 源内邸」は、地域に根付く奥山家の歴史ある庭園と邸宅を改修し、8室の客室とダイニングとして再生した宿になります。
初代当主である高橋源内の名前にちなんで名づけられた本施設では、絹、着物との関りが深い白鷹町の文化を体験し、白鷹の雄大な自然と歴史に浸れるような滞在を提供します。

NIPPONIAの役割

  • 地域計画
  • 事業計画
  • 開発マネジメント
  • 資金調達支援
  • 事業者誘致
  • 建設計画・設計
  • マーケティング・PR
  • 運営支援

このプロジェクトのポイント

多様な地域メンバーと作り上げた事業スキーム

白鷹での事業は「置賜」を名前の由来にした株式会社ukitam(ウキタム)が手掛けています。ukitamは創業400年の歴史を持つ山形県の呉服店「とみひろ」、県内で複数の旅館を営み300年の歴史を持つ老舗の「高見屋旅館」、NECキャピタルソリューション、NOTEの4社出資により設立しました。

その他、地域の建築士やデザイナー、若手のクリエイターと共にチームを組み、互いの得意分野を活かしオープニング準備を進めてまいりました。今後も、地域の多様な事業者と協働していきます。

ukitamメンバーについてもっとよく知りたい方はこちらもご覧ください。
NIPPONIA 白鷹 源内邸の村民ブログ

上杉鷹山ゆかりの建物の活用

初代当主である高橋源内は、米沢藩当主であり江戸時代屈指の名君としても知られる上杉鷹山とも親交があったと伝えられています。
鷹山という名前は上杉鷹山が隠居後に自らつけた名前だそうですが、白鷹町にある白鷹山(しらたかやま)から取ったと言われており、そうしたことからもこの土地との結びつきが深かったことが伺えます。

着物文化の発信

本施設では、白鷹町の養蚕業に貢献した奥山家と本事業に深く関わる呉服店「とみひろ」の二つの縁を背景に、「きものリトリートホテル」をコンセプトとして据え、着物から地域・日本文化を考え、自身の身体と向き合う滞在を目指します。
滞在中は好きな着物や帯をお選びいただき、施設内で着付け体験を楽しむことができます。

本地域に関連する施設などのご紹介

NIPPONIA 白鷹 源内邸
施設の詳細は上記webサイトからご覧いただけます。ご予約も同サイトより行えます。
田園地帯の真ん中に位置する「NIPPONIA 白鷹 源内邸」はその敷地も広く、四季折々に変わりゆく木々や花々の様子を楽しむことができます。また田園風景の背後にそびえる雄大な山々も圧巻です。
風土の恵みである野菜や果物を主役とし、敷地内で採れる山菜もふんだんに使いながら、置賜で受け継がれてきた伝統食「かてもの*」を取り入れたローカルガストロノミーを提供します。

*「かてもの」とは
上杉鷹山の時代、飢饉などで食糧不足になった際に主食を節約するために考案された主食の代用食となる食物。

 

NIPPONIAが実現したこと

  • 地域運営
  • 若者の移住
  • 地元老舗企業との連携
  • 山形県初のNIPPONIA

Photo Gallery

このエリアの個別プロジェクト

NIPPONIA 白鷹 源内邸

大正から昭和にかけて建てられた母屋と蔵を改修し、客室とダイニングとして蘇らせました。
全8室ある客室の名前は「紅花」にちなみ、「艶紅(ひかりべに)」や「紅の八塩(くれないのやしお)」、「莟紅梅(つぼみこうばい)」など、美しい紅の色名となっています。

一番築年数が古い味噌蔵はダイニング「纏(まとい)」として再生。置賜の伝統食を取り入れた「かてもの」文化を現代的に解釈した料理を味わうことができます。