古民家や町家を活用し、街に新たなクリエイティブを生み出す―。
私たちは一般社団法人ノオトとして2009年に設立し、兵庫県篠山市を拠点にこれまで60軒以上の歴史的建築物を再生しています。古民家の活用をきっかけに、地域資源の魅力が一つ、また一つと輝きを取り戻し、地域が元気になるような取り組みを進めています。12軒中7軒が空き家だった篠山の小さな集落の再生から始まった活動も、今は全国に広がっています。
「ローカル」にある多様な豊かさ。地域の歴史や風土、生活文化、農業や自然環境−。その魅力を掘り起こし、現在のデザインや感性を少し加えて、再び地域ににぎわいを作る。
「なつかしくて、あたらしい、日本の暮らしをつくる」
株式会社NOTEでは、この仕事を一緒に実現していく多様な人材を求めています。
今回募集するのは、歴史的建物の改修に欠かせない建築士です。
歴史的な建物は、地域の歴史や風土、生活文化を内包し、今に伝えてくれている。NOTEでは、古民家の良さを「そのまま生かす」ことを大切にしています。
「『全然変わってないやん』。これが一番の褒め言葉」。NOTEの活動を共に立ち上げ、改修物件の設計を手掛ける建築家の才本謙二(才本建築事務所・代表取締役)はこう話す。
すすけた壁や天井。経年で色が不均一に変化した土壁や天井板。傷のある柱。そこで暮らした人が貼った柱のシールや落書き。例えばこういった一見、経年劣化や汚れと見られがちなところも、才本の改修手法では新しくきれいにはしてしまわない。だから才本はよくこう言って笑う。
「Before Afterじゃなくてね、After Beforeなんです」。
建物を改修し、お披露目会をすると地元住民の方が見に来られます。
「ここでいつも野菜を買ってたんよ」。「ここでよく遊んでたなあ。懐かしい」。こんな風に思い出を語ってくださいます。
建物は、時間が堆積した空間でもあります。その時間の堆積を無意識に感じ取るから、古民家に身を置くと「懐かしい」「なぜか落ち着く」そんな風に感じるのかもしれません。
だからその空間がなくなると、そこにあった時間の堆積も消えてしまう。建物の持つ「時空間」を保ったまま、改修をする。新しく、きれいにはしてしまわず、建物の持つ時間の堆積を上手に残す。だから「どこが変わったの?」、こう言われることが褒め言葉なんです。
「人の営みが積み重ねられてできた古民家。その悠久の時間を感じる空間が人の創造性を刺激するのだと思う。ローカルにはそんな原石が今もたくさん眠っている」と才本。
その場に身を置き、無意識に「懐かしい」と感じる。創建当時から堆積した時間や歴史をなんとなく感じ取る。そんな空間で暮らす日常が、町に新しい生活文化や、知恵、ものづくりの技術を生んで行く-。そういった循環を生む仕掛けづくりをしていきたい。そんな仲間を探しています!
NOTEのプロジェクトは現在、兵庫県だけでなく、和歌山や岐阜、瀬戸内や九州地方など各地で進んでおり、全国で歴史的建築物の改修を実施しています。今後も改修の計画が各地であります。今回募集する建築士の方には、改修対象物件の現地調査や現況図面の作成、ホテルやレストランなどにするプラン設計などの業務またはその補助、工事監理補助などを担っていただきます。
「古民家再生の経験はなくても、『古民家のもつ時空間を生かす改修』という理念を共有できる方の応募をお待ちしています。」(株式会社NOTE 代表取締役社長 藤原岳史)
お問い合わせはこちらから。
星野 新治
新潟県出身。2015年一般社団法人ノオトに理事として参画。その後、株式会社NOTEの設立に携わる。現在はNIPPONIAの活動を広げるべく、全国のエリアマネージャーをまとめる役割を果たしている。お米が大好き。